賃貸住宅における木造と鉄骨造・鉄筋コンクリート造の違いは?
賃貸マンションの建設を考える際、建物の構造は重要なポイントの一つです。しかし、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の違いがよくわからず、どの構造を選んだらいいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。本記事では、各構造の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
1.賃貸住宅の構造について
賃貸住宅には主に 木造(W造)・鉄骨造(S造)・鉄筋コンクリート造(RC造)と3種類の構造があります。まずは、それぞれの構造について説明をしていきます。
木造(W造)
木造の建物は、柱、梁、壁など主要な構造部分を木材で作られた建物のことを指します。低層住宅に適しており、比較的安価で建築できるメリットがあります。
木造には大きく分けて2つの工法があります。
1つは在来工法と呼ばれる工法で、古くからある日本の建築工法です。
柱や梁となる木材同士を継手・仕口と呼ばれる伝統の工法でしっかりとつなぎ合わせ、金物の補助金物で補強します。 接合部に柔軟性があり、構造に粘り強さがあるのが特徴です。
2つめは、2×4(ツーバイフォー)工法です。
2インチx4インチ材を中心に数種類の断面形状を持つ構造木材と面材を組合せて枠組みした面を作り、壁・床・天井などの面全体で構造を支持する構造です。接着剤と金物で強く接合するため、剛性があるのが特徴です。
鉄骨造(S造)
鉄骨造は、鉄製や鋼製の部材を主要構造部材とした鉄骨造には「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」の2種類があります。
重量鉄骨造は厚さ6mm以上の鉄骨を用いて建設をします。柱と梁を接合する「ラーメン工法」で建てることが多く、頑丈で柱が少ないのが特徴です。3階建て以上の建物に適しています。
一方、軽量鉄骨造は厚みが6mm未満の鉄骨を使用します。木造のように軸組、筋交いを用いて建設する事が多く、現場で組み立てるいわゆる「プレハブ工法」も多くの場合はこの軽量鉄骨造です。
鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋コンクリート造は、コンクリートが主要構造部材となり、そのコンクリートに鉄筋を組み込んだ構造です。コンクリート自体は圧縮力には強いものの、引張力に弱いため、その逆の特性を持った鉄筋を入れることで引張力にも強くなり、建物全体の強度が高まります。
鉄骨造と鉄筋コンクリート造の違いは、鉄骨造は鉄製や鋼製の部材を組み立てる構造ですが、鉄筋コンクリート造はコンクリートに鉄筋を組み込んだ構造と、主要構造部材や工法が異なるのが大きな違いとなります。
鉄筋コンクリート造には「ラーメン構造」と「壁式構造」の2つの構造があります。
ラーメン構造は、鉄筋で組んだ骨組みを型枠で囲み、その中にコンクリートを注入して、柱、梁、壁、床といった基本的な構造部を作ります。
間取りの自由度が高いのが特徴で、中層マンションに適しています。
一方の壁式構造は、柱や梁を設けず、基本的に壁だけで荷重を支える鉄筋コンクリート構造です。建物の内部空間が広く使用できるのが特徴で、厚い耐力壁で支えられているため、遮音性、耐震性、断熱性に優れており、低層マンションに適しています。
2.土地の広さや収益性で変わる工法
賃貸住宅は土地の条件次第で最適な構造が変わってくるため、事前にその土地の広さやロケーションをしっかりと把握し、ニーズに合った構造を選ぶ必要があります
単に構造の種類だけでなく、住宅の用途、規模、工期なども総合的に勘案して判断しなければなりません。
例えば、狭小地で中高層の集合住宅を建てる場合は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造が有力候補となります。面積効率が良く、耐火・耐震性にも優れているためです。一方、低層の賃貸住宅を建てるなら、木造も選択できます。木造は工事費が抑えられるメリットがあるからです。
賃貸マンション建設の際は敷地条件を先に確認し、その上でニーズに合った最適な構造を選ぶことが重要になります。
なお、建物には構造ごとに法定耐用年数が定められています。共同住宅の場合、木造は22年、鉄骨造は34年、鉄筋コンクリート造は47年とされています。これは固定資産税の減価償却時に使用する年数のため実際の建物の寿命ではありません。建物を建てた後の運用について耐用年数を念頭に置いておくと、構造を決める際の参考になるのではないでしょうか。
埼和興産ではお持ちの土地を無料で「市場調査」いたします。借り主の属性や地域性から、店舗付き賃貸マンションなど、敷地条件に合った最適な構造やプランを提案いたします。土地活用をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
3.各構造の比較とメリット・デメリットとは
賃貸住宅の構造選びは、入居者にとって重要な決断事項の一つです。構造によって、耐久性、安全性、コストなど、メリット・デメリットが大きく変わってくるからです。ここでは、各構造の比較とメリット・デメリットをそれぞれお伝えしていきます。
木造のメリット・デメリット
木造のメリットとデメリットには次のようなものがあげられます。
【メリット】
低層の木造住宅を建てれば、比較的安価に住環境が作れ、工期が短い
【デメリット】
・火災に弱い ・長期的な耐久性に不安がある
・上下階や隣戸との遮音性が弱い ・RC造と比べると断熱性に劣る
木造住宅は比較的安価かつ短工期で建築を実現できます。
しかしながら、遮音、断熱性が他の構造と比べると不安が拭えません。ただし燃えやすい性質ではありますがすぐに芯まで燃えて倒壊するようなことはありません。
鉄骨造のメリット・デメリット
【メリット】
・鉄骨自体が強固な構造のため、高い耐力と耐震性を実現
・柱が少なく開放的な間取りが可能
【デメリット】
・工事が複雑で工期が長くなりがち
・鉄骨の加工や組立てに手間がかかり、工事費が高くつく
・遮音性が良くない場合がある
鉄骨造は、鉄骨自体が強固な構造のため木造と比較すると高い耐力と耐震性があります。柱が少ないため開放的な間取りを実現できるメリットがあります。
一方で、工事が複雑で工期が長くなり、鉄骨の加工と組立てに手間がかかるため工事費が高額になる傾向にあります。さらに遮音性が良くない場合もあり、集合住宅では入居者の生活環境に影響を及ぼすリスクがあります。 このように鉄骨造には一長一短がありますが、工事の手間やコストがかさむことや、遮音性の課題があります。
鉄筋コンクリート造のメリット・デメリット
【メリット】
・コンクリートに鉄筋を組み込んだ構造のため、高い耐力と耐震性を実現
・火災に強く、長期的な劣化も少ない・遮音性と断熱性に優れている
【デメリット】
・工期が長く工事費用が高額になりがち
・重量物のため、しっかりした地盤や杭などの基礎工事が必要不可欠
・間取りの自由度が低い場合もある
RC造は工事費用が高額になりがちですが、これは高い強度と長期的な耐久性を実現するための適正なコストと言えます。また、RC造は重量物のため、しっかりとした地盤が必要不可欠ですが、埼和興産では事前の地盤調査を徹底し、適切な基礎工事を行うことで、この課題にも万全の対策を講じています。
RC造には建築費が高くなりがちなデメリットもあるため、建設会社選びは重要となってきます。私ども埼和興産は壁式構造を中心とした理想的な間取りを実現するプランニングを得意としています。
このように、RC造にはデメリットもありますが、長期的な安全性や資産価値の維持、そして快適な住環境の提供という、賃貸マンションに不可欠な要件を十分に満たしたバランスの良い工法だといえます。
4.まとめ
賃貸マンションの構造選びは、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など、さまざまな選択肢があります。本記事では、各構造の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説してきました。
最終的に、高い耐震性と耐火性、優れた遮音性と断熱性、長期的な安全性と資産価値の維持など、賃貸マンションに求められる要件を幅広くクリアできる最適な工法は、鉄筋コンクリート造(RC造)であると言えるでしょう。
近年では「鉄筋コンクリート造は住心地が良い」ということが借り主の方にも広まってきており、アクセスや家賃だけでなく構造で物件検索をかける方が多いようです。騒音などの入居者トラブルも少なく安全性の高い鉄筋コンクリート造であれば、快適な居住環境となり、オーナー様にとっても高い入居率を維持し、安心の賃貸経営に繋がるのではないでしょうか。
埼和興産では、鉄筋コンクリート造(RC造)の賃貸マンション建設を得意としています。優れた遮音性・断熱性・耐震性を保ち、入居率は99%とオーナー様にも入居者の方にも大変ご好評をいただいております。
是非、私ども埼和興産に一度ご相談ください。
私どもと一緒に入居者の方々に安心・安全で快適な住まいを長期にわたってお届けする賃貸経営を目指しましょう!